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2023年3月17日

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山梨県へ「保育園留学(R)」でプチ移住体験!自然の中で子どもが活きるのびのび保育

「保育園留学(R)」が山梨県の4つの園と地域で始まった。プレオープンのモニター家族として4歳の息子と共に甲府市「宮前保育園」への保育園留学(R)を体験した田中亜由美さんにインタビュー。応募の理由や感想を聞いた。

※「保育園留学(R)」は、株式会社キッチハイクの商標です。特許取得済。(特許第7164260号 「滞在支援システム、滞在支援方法、およびプログラム」)
※こちらの特集は、2023年2月時点の取材に基づいて作成しております。

保育園留学(R)が山梨県の4地域でプレオープン

保育園留学(R)とは、子どもが自宅近く以外の保育園に通い、家族も連携宿泊施設やコワーキングスペースを利用しながらその地域に滞在できる暮らし体験のこと。期間は1~3週間が目安。子どもは幼少期に大自然の中などいつもと違う環境に身を置くことができ、親は働きながら多様な選択肢を持てる。さらに地域も活性化する取り組みだ。

この取り組みは、「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ」をミッションに掲げるキッチハイク株式会社が2021年にスタートした事業で、2023年3月現在、全国5地域で展開されている。とくに首都圏のファミリーからの関心が厚く、すでに2500組待ちだ。

そんな保育園留学(R)が、自然保育を推進している山梨県でも始まった。本格スタートに先がけ、2023年1~2月に甲府市・早川町・富士川町・身延町の4つの地域と園でプレオープン。モニター3家族が滞在した。

県内留学先の一つ、甲府市「宮前保育園」

子どもの学びや親の働き方に新たな選択肢

「赤毛のアン」をイメージした、おとぎ話のようなかわいい園舎の宮前保育園(甲府市)での保育園留学(R)を体験したのは、山口県在住のフリーランスライター田中亜由美さんと息子のゆずきくん。亜由美さんがこの取り組みを知ったのは、ワーケーションへの興味がきっかけだったそう。

「住んでいるのは山口県の田舎です。自然豊かで家族も近くにいて、子育てするにはいい環境。ただ、関わる人が限られ、どこか閉塞感があるのも事実。私はライターという仕事柄、オンラインではさまざまな人にインタビューしていますが、やっぱり対面でも人に会いたいという気持ちが強くなってきて」

仕事自体はどこでもできるため、最初はワーケーションで検討。いろいろ調べる中で、山梨県で保育園留学(R)のモニター家族を募集しているのを見つけたそうだ。

山口県岩国市より4歳の息子ゆずきくんと参加した田中亜由美さん

「1~2週間の長期滞在となると、仕事もしたいものの、息子が暇になってしまう。それに、せっかく自宅から遠い場所で過ごすのだから、できれば息子にも地元ではできないような体験をさせたい。そんなふうに思っていたので保育園留学(R)は、まさに理想的だと感じました。

もともと旅が好きなんです。自分が帰れる・帰りたいと思う場所が、いろいろな場所にあるといいなと思っていて。旅は予定をぎっしり詰めて観光するより、一カ所にじっくり滞在して地元の人と交流しつつ、街の雰囲気を味わうようなスタイルが好きですね。山口出身なので、東日本はほとんど知りません。だから山梨にも一度ゆっくり滞在してみたかったんです」

連携宿泊施設にはコワーキングスペースもあり、仕事もサクサクはかどる

「以前、富士五湖周辺をドライブしたことがあるのですが、山梨の山って雄大でかっこいいですよね。山の中は空気の澄み具合も段違い。山口では海沿いに住んでいるので、同じ“自然豊か”でも雰囲気がまるで違います。東京からのアクセスが良いので、東京へ遊びに行ったり、ついでに東京で用事を済ませたりできそうなのもいいなと思い、応募を決めました」

保育園から帰った後、宿泊施設の中庭で大好きなサッカーを楽しむゆずきくん

「園へ行きたくない」から最後は「まだ帰りたくない」へ

「息子に地元ではできない体験を!」と意気込む亜由美さんの気持ちとは裏腹に、ゆずきくんは最初の数日間は毎朝「保育園へ行きたくない」としくしく泣いた。亜由美さんは後ろ髪を引かれる思いで、園をあとにしていたという。

しかし、次第にお友だちもでき、新しい環境にも慣れて「楽しかった!」と笑顔で帰ってくるように。最終日には迎えに行くと、「まだ帰りたくない!」というほどに。

「保育園の規模も地元より大きく、のびのび遊べていたようです。ただ、宮前保育園での留学体験は一時保育の子どもたちと過ごすため、滞在中は0~2歳児が多く、4歳の息子は遊びに多少物足りなさを感じることもあったかも。でも新しい環境だからこその楽しさはあったし、最終的にはお友だちも増えて、良い体験になったと思います」

保育園ではおにごっこや松ぼっくり集めなど、自然の中でたっぷり遊ぶ

保育園のお迎え後は、親子の時間も満喫したという。

「部屋や敷地の庭でのんびり過ごした日もありますが、駅前のおしろらんど(甲府市子ども屋内運動遊び場)に行ったり、ショッピングセンターに行ったりしました。甲府はおでかけも気軽にできる立地。それでいて、足を伸ばせば自然もすぐ近くにあり、ほどよく都会なのがいいですね。慣れない環境で子どもが土地に馴染めないと、保育園の活動以外にやることがなくて、結局動画やゲーム三昧……なんてこともありえるかもしれませんが、気軽に遊べる選択肢が多いのはうれしい。初めての留学先としては非常にバランスがいいと思います」

お散歩中は、小さな子の手を引いたり、元気に歌ったりする姿も

子どもが保育園にいっている間、田中さんは仕事をしたり、レンタサイクルで観光やランチしたり快適に過ごしたそう。滞在中の「イノベーションベースSoie」はコワーキングスペースを備えた宿泊施設で、教育機関が多い地区にあり、大学生も多く暮らしている。

「大学生はやさしくて、息子も積極的にコミュニケーションを取っていて。一緒にご飯を食べたこともあります」

週末には、山梨県へ来てから知り合った同年代の子どもがいるママと、富士山麓のテーマパークへ遊びにも行った。

「私の場合、その土地にまた帰ってきたいと思うかどうかは、そこで出会った人次第。また会いたいと思う人がいたら、再訪することが多いですね。だから今回の甲府滞在でも、地元の人と過ごす時間を持てたことはとても良かったなと思います。山梨は東京からのアクセスが良いので、再訪する機会はまたすぐ持てそうな気がしています」

雄大な富士山の姿にゆずきくんも釘づけ!

もちろん保育園留学(R)の2週間で子どもに見違えるような変化が起きたわけではない。それでも、「体験は必ず残るはず」と亜由美さんは力を込める。

「子どもは本当にいろいろなことをよく覚えていて、これまでも『こんなことをやったよね』『あの人に会ったよね』なんて思い出したように話してくれることが多かったんです。きっと今回のことも経験として糧になり、確実に蓄積されていくのだろうと思います」

楽しそうに保育園へ向かうゆずきくん

子どもの未来を広げる山梨県での原体験

これまでに2家族をモニターとして受け入れてきた宮前保育園の保育士、高橋寛人さんは次のように話す。

「最初は少し不安そうな表情を見せる子も、日を追うごとに笑顔が増え、最後には“もっといたい”と言ってくれました。体験する子どもたちには、やはり山梨らしい自然を楽しんでほしいですね。見てのとおり、園の周りも自然豊かな環境で、すぐ裏は山。園庭にはどんぐりやくるみなどの木の実もたくさんあるし、近くで葉っぱや松ぼっくりを拾ってきて遊ぶこともあります」

宮前保育園では、留学体験する子どもたちは一時保育の子どもたちと一緒に過ごすため、利用日によっては年齢に偏りがある。同じ年齢の在園児との交流をどう増やしていくかは今後検討していきたいとのこと。

「ここでの体験が何かを始めるきっかけになることもあると思うんです。今すぐではなくても、5年10年経ったときに、何かに挑戦しようと思えたり、山梨へまた来たいと思ってくれたりしたらうれしいですね。普段と違う場所では新しい刺激も多く、一つひとつの経験が成長や意欲につながるはず。ちょっとした冒険にでかけるような気持ちで来てみてほしいなと思います」

「子どもたちに夢を与えたいと思いながら保育をしています」と高橋さん

「保育園留学(R)を家族の当たり前の選択肢にしたい」

保育園留学(R)を企画しているキッチハイクの鳥海さんによると、山梨県でのモニター応募家族数は 63家族、正式募集のお知らせ登録家族数は約200家族に上ったという。

「豊かな自然とアクセスの良さが山梨の強みだと思います。利用者の中には仕事でトラブルがあると東京のオフィスへ戻らなければならない方がいたのですが、北海道での保育園留学中に東京まで戻るのは大変そうでした。甲府の滞在中にもトラブルがあったのですが、“車で約2時間なのですぐに帰れた”と話していました」

山梨県の保育園留学(R)は甲府市以外にも、峡南エリアの3カ所で展開。日本一人口の少ないまちとして知られる早川町では、「早川町立南保育所」でさまざまな自然体験プログラムを経験する。富士川町では「森のようちえん きらきら星」へ留学し、ほとんどの時間を森で過ごす。身延町の「大野山保育園」では鳥海さんも子どもと一緒に留学体験した。

身延町「大野山保育園」。「生きる土台を築いてくれるような園」だと鳥海さん

「裏山での自然活動では鹿の角やフンを見つけるなど、私も知らないようなことをたくさん吸収して帰ってきて、生き生きと話してくれました。後半はお迎えに行くと、“まだ帰りたくない”と泣くほど楽しかったようです。宿泊している宿坊のみなさんもやさしくて、また会いに来たいですね。身延町が大好きな場所になり、二拠点居住も本気で考え始めました」

山梨県での保育園留学(R)はまだプレオープン。今回参加したモニター家族のフィードバックを受け、今後の本オープンへ向けて、内容をブラッシュアップしていくとのこと。

「私たちは、この体験をきっかけに、家族が流動的にさまざまな地域で暮らし、多様な保育を経験することが、もっと当たり前になってほしいと考えています。“子育ては1カ所でするもの”という常識を変えたいですし、親も短期での地域雇用なども含め、保育園留学(R)を活用してやりたいことに挑戦できたらいいなと。その先にはきっと、地域も日本も、もっと元気になる未来が待っていると思います」

「大野山保育園」では、在園児のクラスにそのまま混じって遊ぶ

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