HOME > ARTICLE 特集一覧 > 山梨県への移住によって人生で本当にやりたいことが実現!

2024年2月15日

ARTICLE

特集

ここから本文です。

山梨県への移住によって人生で本当にやりたいことが実現!

健全なマウンテンバイクの普及活動のために、東京都内の会社員を辞めて山梨県へ移住した弭間亮さん。安定収入ではなく、人生においてやりたいことを追求するフィールドとして選んだ山梨県。その魅力や山梨県で実現したいことを聞いた。

マウンテンバイクで地域社会や自然環境に貢献

Yamanashi MTB 山守人の代表の弭間亮さんは、2020年4月に山梨県南アルプス市へ移住した。山形県鶴岡市出身で、昔から自然に囲まれて育った。以前は東京都内のアウトドアメーカーに勤務しており、マウンテンバイクは休日に楽しむ趣味の一つだった。

「会社員時代から、山梨県には本当によく通っていたんです。東京都から2時間以内と近いうえに、2000~3000m級の一級山岳がたくさんある。首都圏からのアクセスのよさと本格的にマウンテンバイクを楽しめる可能性のある山岳自然環境が魅力ですね」

当初は純粋にレジャーとして走っていたが、調べていくうちに日本の山道をマウンテンバイクで走ってよいかは法的根拠がないということがわかっていった。山は地権者や管理者が多く、さらにさまざまな制度が絡み合い、山道を整備しようとしても許認可取得が難しい。そんな話を地元の人としていたら、「マウンテンバイクの普及活動をしてみたら?」といわれた。たしかに法的にクリアになれば、もっと多くの人が山を健全に楽しみ自然が好きになり、自然保護の機運醸成にもつながる。また、「困難が待っていたとしても好きなことの健全な普及から逃げて、ごまかすようなかっこ悪い大人にはなりたくなかった」のだという。

マウンテンバイクの制度化を目指し、2013年に山梨県で南アルプスマウンテンバイク愛好会の活動をスタート。現在は、Yamanashi MTB 山守人の代表として、マウンテンバイクという道具を使い、地域貢献活動、マウンテンバイクの健全な普及とその走行環境づくり、山の自然歴史文化を伝える活動、そして地方創生に資するマウンテンバイクの制度化を目指した活動に取り組んでいる。

Yamanashi MTB 山守人の代表の弭間亮(はずまりょう)さん

「どうして故郷の山形県鶴岡市でやらないのか?と聞かれるのですが、東北の日本海側に位置する山形県鶴岡市は全ての大都市圏から遠すぎて先例をつくるのが難しい。東京大都市圏からアクセスがよく、本格的な山岳環境がある世界有数の恵まれた立地の山梨県は、人を集めやすく、多くの人にマウンテンバイクの魅力を届けやすい。甲府盆地全体でも約50万人の都市圏人口です。まずはその山梨県で実績をつくり、それを日本全国へ展開していくほうが早道だろうと思ったんです。

また、山梨県は県有林比率が全山林の約45%と他の都道府県のそれより圧倒的な大きな比率となっており、その山林を大切に活用するために山梨県全体から応援をいただくことで、日本最大規模で公的に普及が進むと考えました。総合的に考えて私にとっては山梨県しかありませんでした。」

山梨県全体を日本最大のマウンテンバイクフィールドに拡大することを目指している

活動当初は本業の休日を確保して山梨県に通い、活動をする二拠点居住だったが、活動開始から7年後の2020年、ついに移住を決意する。活動がどんどん忙しくなり、仕事との両立が難しくなってきたからだ。ただ、マウンテンバイクの活動は非営利だったため、本業を辞めて安定収入を失うリスクは計り知れない。それでも人生は一度きり、最終的にはやりたいことをやる道を選ぶことに迷いはなかった。

移住にあたっては、当時付き合っていた奥さんが「やりたいことをやるべき」と背中を押してくれたことも大きかったという。ちなみに弭間さんの奥さんは、工芸作家として好きな道を歩んできた人だ。また、同じ頃、マウンテンバイクの世界的なトップブランド「スペシャライズド」のアジア唯一のグローバルトレイルアンバサダーに就任したこともマウンテンバイク活動一本に絞ろうと腹をくくる契機になった。

住む場所として南アルプス市の山間部を選んだのは「活動開始当初からお世話になっている大切な場所だったから。またその地域が山の中にあったため、理想の移住先だった」とのこと。また、長年山を使わせて頂いており、多くの住民とのつながりもあり、地域に恩を感じていたため、この山間の集落への移住にも迷いがなかったそうだ。

自分たちで整備した山道を走る弭間さん。昔人々が使っていた古道の再生や山道の新規造成もおこなう

移住後は、Yamanashi MTB 山守人を立ち上げ、会員組織の運営や地域活動、山道や登山道の整備、防犯パトロール、獣害対策、マウンテンバイクの普及活動、自転車教室やマウンテンバイク体験会などの開催、マウンテンバイクの制度化に向けた取り組みを進める一方、自分自身が持続可能な生活を送る必要があったため、株式会社山守人を設立。マウンテンバイクを楽しめるキャンプ場やフィールドの運営、マウンテンバイクパークやコースの造成、マウンテンバイク全般のコンサルティング、ツアー、イベント、レンタルなど、これまでのノウハウを活用した事業を展開している。

sp15_04

山道は土壌侵食を最小限に食い止め、かつ安全な通行を可能とする状態へ整備する

人から人へつながりが広がっていく地域

移住したことで、マウンテンバイクの普及活動に時間をフルに使えるようになった。

「山にもすぐ入れるし、人とのコミュニケーションもとりやすくなりました。山梨県中の多くの人と広く深く付き合えるようになって、活動もしやすくなりましたね」

弭間さんが移住したのは、山間部の集落。高齢者が多いこともあり、マウンテンバイクの活動をすぐに完璧に理解してもらえるわけではなかった。しかし、自治会の活動やお祭りの手伝いなど、メンバーの力を借りつつ地域と積極的に関わりながら、地元の人たちと関係を築いてきた。

地元の神社の秋の例祭を愛好会のメンバーと手伝う弭間さん。例祭のお手伝いは今年で11年目。毎年欠かさずやっている

「山梨県は人と人のつながりをすごく大切にしている印象があります。一度受け入れて理解してくれると、人が人を呼んできてくれて、どんどんつながっていく感覚がありますね。活動にも協力的で、今の活動も人のつながりだけでやれているようなもの。Yamanashi MTB 山守人は地域のみなさま、行政、多くの地元企業からご理解とご支援をいただき、活動が成り立っています」

よそものだからこそ、歴史ある地域に入る努力をしたという弭間さん

自然の中の子育ては「まっすぐ健全な強く優しい子に」

子どもが自然の中で強く優しく育つ環境に満足している。子どもは1歳半。最近では一緒に山へ入ることもある。

「まっすぐ健全で純粋な子に育ってくれたらと思っています。子どもにとっては勉強よりも大切なものがあり、それが山梨にはある。自分自身、超田舎で生まれ育ったので、私立のお受験や塾もなかったですからね。自然と接していると、人間がいかにちっぽけな存在かわかるんです。自然は強力で、人間にとって畏怖を感じる存在というか。だからこそ、人は謙虚になっていくし、他人と協力する必要性も感じる。そうやって子どもも健全に育っていくんじゃないかなと思いますね。そして正しく生きてほしいです。僕自身、正しく活動してきたし、まっすぐ子どもと向き合えるよう、これまで困難を乗り越えてまっすぐ生きてきたつもりです」

奥さんも山梨の自然や人の営みに関心を持ち、移住生活を楽しんでいるそう

子育ての環境としてだけでなく、弭間さんにとっても山や自然は特別な存在だ。
「やっぱり落ち着きますね。都会って、人も多く、それぞれの人の志向や価値観が複雑に絡み合っているようなところがありますが、自然の中はとてもシンプル。動物も植物も、みんな生きることに一生懸命。本来は生物である人間もその一部にすぎないと思うんですよね。自然の中にいると、自分が正しい場所にいるかを確認できる。ニュートラルな状態に自分を戻せる場所です」

子どもたちがマウンテンバイクを通じて地元の里山を楽しめるイベントも開催

山梨県はおしゃれな田舎暮らしが叶う場所

マウンテンバイクの走行環境づくりや制度化の活動は道半ばだが、着実に前進している。

「マウンテンバイクというツールを通して、山梨県のすばらしい自然や地域の歴史文化を多くの人に伝えたいですね。より多くの人に安全に体験してもらえるような環境を早くつくっていきたいです。マウンテンバイクが普及すれば、地域は自然と活性化します。過疎化や高齢化が進んだエリアにも人が集まり自治につながっていく、自然保護や獣害対策にもなる、観光収入も増えていくでしょう。世界的にもマウンテンバイカー人口は多いので、インバウンドも期待できます。そうやってここ山梨県で最初の事例をつくって、それを日本中に横展開させて、全国に持続可能なマウンテンバイクを健全に普及、啓蒙していけたらと思っています」

最近はマウンテンバイクのルールづくりに向け、行政との協議も進めている

ちなみに一緒に活動しているメンバーの中には、マウンテンバイクの聖地カナダから山梨へ移住した人もいるそうだ。

「最近は移住や二拠点居住の相談に乗ることも増えてきました。全国の田舎を考えたら、また山形県出身の僕からすると、山梨県は都会的な田舎なんですよね。約3800万人の世界有数の人口を抱える東京大都市圏から日帰り可能という恵まれた立地。山梨県から東京都へ通勤している人も結構いますよね。それでいて車で30分も走れば自然の中。その自然が育んだおいしい水や食事があるし、ワイン・日本酒・クラフトビールとおいしいお酒もそろっていて、最近はおしゃれなカフェも増えている。都会の人がイメージするカッコイイ田舎暮らしが、山梨県なら実現できると思いますよ。移住初心者にもとてもおすすめです」

「山梨県も広くていろいろなエリアがありますよ」と弭間さん

お問い合わせ先

二拠点居住・移住に関するご相談はこちら

やまなし暮らし支援センター(個人専用)※山梨県が運営する相談窓口です。

〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8階(NPOふるさと回帰支援センター内)

電話番号:03-6273-4306

問い合わせフォーム

オフィス移転・サテライトオフィス開設等に関するご相談はこちら

山梨県二拠点居住推進センター(法人専用)

〒102-0093 東京都千代田区平河町2-6-3 都道府県会館13階(山梨県 東京事務所内)

電話番号:03-5212-9033

問い合わせフォーム

その他のお問い合わせはこちら(本メディアに関するコメント等)

山梨県人口減少危機対策本部事務局人口減少危機対策企画グループ

〒400-8501 山梨県甲府市丸の内1丁目6-1

電話番号:055-223-1845

問い合わせフォーム