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2023年8月28日

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山梨県で「半農半X」を実践!俳優・工藤阿須加さんの自然体での地域との関わり方

俳優・工藤阿須加さんは、2021年から山梨県北杜市で農業に取り組み、栽培方法にもこだわって野菜を育てている。
俳優業と農業の二足のわらじ生活は、俳優業にもいい影響を及ぼしているという。山梨県の魅力や地域との関わり方について話を聞いた。

※こちらの特集は、2023年7月時点の取材に基づいて作成しております。

農業を始めたのは今始めないと遅いと思ったから

工藤阿須加さんプロフィール

俳優。1991年生まれ。埼玉県出身。2012年ドラマ『理想の息子』で俳優デビュー。近作にドラマ、フジテレビ『教場』(20)『教場Ⅱ』(21)、テレビ朝日『緊急取調室』(21)、WOWOW「鵜頭川村事件」(22)、映画『総理の夫』(21)、『ハケンアニメ』(22)。Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』が配信中。2021年より山梨県北杜市内で農業を始め、日本テレビ系の番組『有吉ゼミ』では「工藤阿須加 楽しい農園生活」のコーナーに出演中。

農業を始めたのは、家庭の食環境の影響が大きかったという。父親はアスリートで体が資本とあって、母親は食に気を遣っていたそう。暮らしの中で自然と食への興味や関心が高まった。農業関係者と接する機会も多かったそうだ。

俳優業と農業の二刀流をこなす工藤阿須加さん

農業を始めようと思った直接のきっかけは、コロナ禍だ。「自分自身と向き合う時間ができたとき、昔から付き合いのある農家の方たちの『日本の農業のことをもっと考えないといけない』という言葉を思い出したんです。お金や時間に余裕ができるのを待って、40歳や50歳になってしまったら、結局何もできないかもしれないと思って、思い切って始めることにしました」と振り返る。

畑は山梨県北杜市内にある井上農場の一角を借りている。普段は東京都と山梨県を行ったり来たり。どうしても仕事で畑に行けないときは家族に作業をお願いすることもあるという。

工藤さんは年間15品目ほどの野菜を栽培している

地域との人間関係は「難しく考えず受け入れることから」

工藤さんは埼玉県出身。なぜ山梨県を二拠点居住や農業に挑戦する場所に選んだのかを聞くと、「山梨県は名水に恵まれ、日照時間も長く、農業に適していて、暮らすにも気持ちが良い場所。役者を続けるにあたり東京から2時間というアクセスの良さも魅力でした」と説明した。

もともとゆかりがない土地だが、地域の人との交流も少しずつ深めてきた。今では近隣の店にご飯を食べに行くと、「作業してきたの?」「今回はいつまでいるの?」と気軽に話しかけられることも増えたという。

農業をやる場所は関西や九州など広く検討し、山梨県を候補地のひとつに決めたという

二拠点居住や移住を考える人にとって、地元の人との人間関係は心理的なハードルになりがちだ。しかし工藤さんは「難しく考えなくていいと思うんですよ」とおだやかに笑う。

「まずは道ですれちがった方、みんなに挨拶するのはどうですかね。明るく元気に挨拶されてイヤだと思う人はあんまりいないはず。もし、相手が地元の人じゃなかったとしても、『この地域の人は明るいんだな』という街の印象をつくることになりますし」

同時に「郷に入れば郷に従え」の精神で、地域のルールや人々の在り方を受け入れることも大事だと力を込める。「もし、もっとこうすればいいのになと思うことがあれば、ちゃんと溶け込んでなじんでから提案してみるとか。まずは他の人を受け入れる気持ちを持てば、人間関係でそんなに大きな問題は起きない気がしています」

工藤さんの畑で収穫したトウモロコシ「プレミアム味来」やニンニク

二足のわらじを履くことは、俳優業にも好影響

工藤さんは、今後も東京都と山梨県を行き来しながら、俳優業と農業を続けていきたいという。つまり、二拠点居住しつつ、ほかに仕事を持ちながら農業と両立させるライフスタイル「半農半X」を貫くということだ。

気持ちの変化を聞くと、「農業が息抜きになっていますね。もちろん農業も大変です。ただ、畑の中で汗をかきながら無心で土や野菜に触れる時間は、僕にとって癒されるひとときなんですよね。作業が終わったあとに、ふと見る夕日の美しさも最高ですし、何より農業は自由ですよ。何を植えるか、いつ働くかも自分次第ですから」。もちろん、ちゃんと世話をしなければ野菜は育たないが、そんな自由さを気に入っていると楽しそうに話す。

俳優業と農業には共通点もあるそうだ。
「実際の作業は違いますが、ものづくり、クリエイティブという意味では一緒なんです。つくった作品を見ておもしろいと思ってもらったり、つくった野菜を食べておいしいと思ってもらったり、何らかの気持ちを共有したいというゴールも同じです」

野菜はどんなに手をかけてもうまく育たないことがあるし、自然災害などもある。だからこそ、野菜の状態をしっかり見て寄り添うことが大事。そしてそれは、俳優として役の中の人物に歩み寄り、理解しようと努めることと共通していると感じるそうだ。「農業をやることで、俳優としての厚みも増していたらいいなと思いますね」とまっすぐ前を見据える。

同じだけ手をかけても苗の個体差で育ち方が違う野菜は「まるで人の人生を見ているよう」と工藤さん

株式会社ファーマン井上農場・井上能孝さんと語るこれからのこと

最後に、地元の井上農場の井上能孝さんも交えて、今後農業を通して実現したいことについて語ってもらった。

――お二人は井上さんの畑の一角を工藤さんが借りているという間柄なんですよね。

工藤阿須加さん(以下、工藤):そうです。こちらで農業を始めるとき、地元の不動産屋さんが井上さんを紹介してくれました。自分自身の農業に対する想いを話したら、畑の一角を使ってやってみたらと言ってくださって。

井上さんは農業の先輩で山梨の先輩。10歳年上なので、人生の先輩でもあります。まず僕が何をやりたいか聞いてくれ、農業の魅力も大変さも教えてくれる。本当に勉強になります。

井上能孝さん(以下、井上):阿須加くんとは初めて会ったときから、衣食住が生きる根本だという想い、いわば農業をやろうと思い立った核の部分が自分と近いと感じましたね。そこが同じなら年齢は関係なく、みんなライバルだし、仲間だと思っています。僕は社員を家族のように思っているんですが、彼もその一人。実際にすっと現場にきてうちの作業を手伝ってくれたり、いつのまにか社員と仲良くなっていたりするんですよ。

株式会社ファーマン井上農場の井上能孝さん。有機JAS栽培で年間20品目ほどの野菜を栽培。新規就農者の支援や福祉施設との連携、農業体験の受け入れにも積極的に取り組む

――実はお二人とも埼玉県出身なんですよね。井上さんはなぜ就農地として山梨県を選んだのでしょう?

井上:有機農業をやるのに適した環境、交通アクセスに加え、話を聞いてくれる行政の人がいたからです。20年以上前で当時まだ農家は世襲制が多かったところ、新規就農への支援にいち早く取り組んでいたのが山梨県でした。日本の国土は大規模農業が難しい中山間地がほとんどです。地域が存続していくためにも、「半農半X」というやり方はいいんじゃないかなと思いますね。

力強い社名「FARMAN」のロゴはスーパーヒーローをイメージ。「農業体験に訪れた子どもたちや若者に、“農業ってなんかカッコイイ”と思ってもらえたら」と井上さん

――この先、一緒にやりたいことはありますか?

井上:すでに一緒に農業体験の受け入れなどをしていますが、子どもたちに食べ物を身近に感じてもらうための取り組みは今後も力を入れていきたいですね。あと個人的には村づくりをしたい。老若男女誰もが「農」をキーワードに集まって、生きる実感を得られるようなコミュニティをつくりたいですね。

外から人が来てくれるのもウェルカムですが、山梨県の中で幸せを実感できるような風土が醸成されていけば、二拠点居住者や移住者、県民の幸福度、ひいては観光資源としての土地の魅力も上がるのではないかと思います。

工藤:住んでいる人が土地の魅力に気づかないという話がありますが、「どうして気づかないの?」ではなく、時代が変わっているなら伝え方もどんどん変えていかないといけないと思っています。一度都会へ出る若い人が多くてもいいと思うんですよ。出た上で山梨の魅力に気が付いて、戻ってこられる環境が整えられていればいいんじゃないかなと思います。

「農業の魅力や楽しさを伝えていきたい」と話す工藤さんと井上さん

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